Internal-medicine

内科

糖尿病や高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病の治療を中心に、家庭医として医療サービスを提供しています。発熱や腹痛、下痢などの急な体調不良に対しても迅速な診断・治療を心がけています。
CT、MRIも完備しており、様々な疾患の検査や経過観察も可能です。その他、新型コロナウイルス、インフルエンザの迅速検査(抗原検査)、動脈硬化の検査(ABI)、神経障害の検査(DPNチェック®️)、超音波検査(甲状腺エコー検査、腹部エコー検査)、体組成計(InBody®️)なども行っています。
特に糖尿病診療に力を入れており、糖尿病専門医によるインスリン注射やGLP-1製剤を使用した治療も可能です。また、簡易血糖測定器(SMBG)、持続血糖測定器(CGM)の貸し出しも行っております。

当院内科で
診療している
主な疾患

  • 発熱、咳、鼻水、頭痛、腹痛、食欲低下、頻尿、多尿、下痢、便秘、むくみ、不眠など
  • インフルエンザ、新型コロナウイルス、肺炎、胃腸炎、膀胱炎などの感染症
  • 花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患
  • 気管支喘息、咳喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性呼吸器疾患の薬剤管理
  • 片頭痛などの慢性的な頭痛
  • 甲状腺疾患、更年期障害などの内分泌疾患
  • 糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病
  • 各種健康診断
  • ワクチン接種(肺炎球菌、インフルエンザ、帯状疱疹)

糖尿病

糖尿病ってどんな病気?

糖尿病は、単に「尿から糖が出る病気」というわけではありません。正確には、「血糖値が高い状態」、すなわち「高血糖病」と理解するのが適切です。この高血糖状態が長く続くと、血管にダメージが蓄積し、動脈硬化が進み、多くの合併症を引き起こす可能性があります。
自覚症状がほとんどないこともあり、多くの方が気づかないか、気づいていても放置してしまう病気です。しかし、症状がないからといって放置していると様々な問題(合併症)を引き起こすことがあります。糖尿病の早期発見と早期治療は、健康な生活を維持するために非常に大切です。

糖尿病の現状

現在、日本では毎年約50万人が新たに糖尿病を発症しています。糖尿病による眼の合併症で失明する人は年間約3,000人、腎臓の合併症で透析を始める人は年間約16,000人います。これらの数字からも、糖尿病の予防と管理の重要性がわかります。

「糖尿病が強く疑われる者」における治療の
状況の年次推移(20歳以上)

治療なし 治療あり

参考1.厚生労働省 平成28年国民健康栄養調査結果の概要

高血糖症状とは

血糖値が200~300mg/dL程度と高くなっても、症状はほとんどありません。ただし、血糖値が極端に高くなるとのどが渇く、尿量が多い(頻尿や多尿)、疲れやすい、食べているのに体重が減る(体重減少)といった症状があらわれることがあります。

血糖とその役割

血糖とは血液中のブドウ糖のことをさします。主に炭水化物からつくられ、私たちの体が活動するためのエネルギー源としての役割を果たしています。車にとってガソリンのようなもので、わたしたちも血中にブドウ糖がないと活動することができません。
血糖値の基準は以下のようになります。

糖尿病でない人の血糖値

空腹時血糖

70~110mg/dL

食後血糖

140mg/dL 以下

糖尿病の診断基準となる血糖値

早朝空腹時血糖

126mg/dL 以上 または

食後(随時)血糖

200mg/dL 以上

HbA1cとは

HbA1cはヘモグロビンエーワンシーと発音し、糖尿病治療、自己管理に重要な指標として知られています。HbA1cは1~2か月の平均の血糖値を表しており、血糖マネジメントが良好かどうかの判断に有用です。
HbA1cの基準は以下のようになります。

糖尿病でない人のHbA1c

おおよそ5%

糖尿病の診断基準となるHbA1c

6.5% 以上

糖尿病と診断するための検査

糖尿病を診断する検査として、最も行われるのは75g経口ブドウ糖負荷試験、通称75gOGTTです。この検査の流れは、まず空腹状態での血糖値を確認し、次に75gのブドウ糖(トレーラン®)を摂取します。摂取後、30分、1時間、そして2時間と、定期的に血糖値、インスリン値をチェックします。2時間後の血糖値が200mg/dLを超える場合、糖尿病型と考えられます。
この検査の評価基準は、75gのブドウ糖を摂取したあとの2時間後の血糖値が

正常型 140mg/dL以下

境界型 140~200mg/dL

糖尿病型 200mg/dL以上

となります。75gOGTTは、糖尿病の早期発見に役立ち、適切なケアや生活のアドバイスを受けるための第一歩となります。

血糖値を調節する仕組み

糖尿病でない人であっても食事を摂取すると血糖値はある程度上昇します。この血糖値の上昇をコントロールするのがインスリンです。インスリンはホルモンのひとつで膵臓のβ細胞から分泌され、インスリンが作用することで血液中のブドウ糖は細胞に取り込まれます。インスリンがきちんと働いてくれることで血糖値は一定に維持されます。

糖尿病の原因

糖尿病の原因は、からだが血糖値が上がる状態になってしまっているからです。
血糖値が上がる病態としては大きく分けると2つ考えられます。

インスリン分泌不全

インスリンが足りない

インスリン抵抗性

インスリンが効きにくい

このどちらかまたは両方が関与することで血糖値が下がらなくなり糖尿病を発症します。

糖尿病の種類

糖尿病には多くの種類があります。
代表的なものに1型糖尿病と2型糖尿病があり、日本人の90%以上は2型糖尿病と言われています。

1型糖尿病

膵臓にあるインスリンを分泌する細胞が破壊されてしまい、インスリンが分泌できなくなる病気です。インスリン注射での治療が絶対的に必要になります。

2型糖尿病

生まれ持ったインスリンを分泌する能力が低い体質に、生活習慣が関係して発症します。インスリンが出にくい体質は主に遺伝が関係し、加齢によってインスリンを分泌する能力は弱まっていきます(インスリン分泌不全)。また、偏った食習慣や運動不足といった生活習慣により、肥満などが助長されることでインスリンが効きにくい体質になります(インスリン抵抗性)。この2つの要因が合わさって糖尿病が発症してしまいます。
一般的に発症時の血糖の上昇は緩やかで、健康診断などがきっかけとなって見つかることが多いです。健康診断や定期的な病院受診がない方では、発見が遅くなり、受診時に糖尿病合併症がすでに進行していることもあります。血糖値が高い状態が長く続くほど合併症は進行するので早期発見、早期治療がとても大切です。

おわりに

糖尿病は、適切な知識と管理によって、健康な生活を維持することができる病気です。早期発見と治療が重要であり、日々の自己管理が糖尿病の予防と治療に密接に関連しています。糖尿病の治療は日々進歩しています。当院では糖尿病を日頃から数多く診療している医師が、診断から治療まで一貫して行っております。また、健診などで血糖値が高いといわれた、糖尿病になっていないか心配な方、糖尿病に関する疑問や悩みがある場合は、ご相談ください。

当院で可能な糖尿病の検査・治療

治療

  • インスリン注射の導入・使用(どのようなインスリン製剤でも処方可能です)
  • GLP-1製剤の導入・使用(どのようなGLP-1製剤でも処方可能です)
  • 簡易血糖測定器(SMBG)の使用(グルテストアクア®、ジェントレット®を使用しています)
  • 持続血糖測定器(CGM)の使用(フリースタイルリブレ®を使用しています)

検査

  • 75gブドウ糖負荷試験(75gOGTT)
  • DPNチェック®️(糖尿病性神経障害の確認に使用します)
  • ABI(動脈硬化の確認に使用します)
  • InBody®️(体組成の確認に使用します)

高血圧症

高血圧症ってどんな病気?

血圧とは心臓が収縮することで血管にかかる圧力のことです。血圧があるおかげで全身のすみずみに血液を送り出すことができます。しかし、この圧が高すぎると血管が傷つき(動脈硬化を引き起こし)、様々な病気の原因になります。血圧の正常値は、収縮期血圧(最高血圧)が120mmHg未満、拡張期血圧(最低血圧)が80mmHg未満とされています。高血圧にはさまざまな段階がありますが収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHgは治療が必要な高血圧です。

高血圧症の現状

日本の高血圧症患者は約4300万人といわれています。そのうち適切な治療ができている方は1/4程度で血圧が高いまま十分な治療が行われていない方や高血圧であることに気づいていない方も多くいます。まずはご自宅で計測してみましょう。

高血圧のリスク

高血圧は脳梗塞や脳出血、くも膜下出血といった脳卒中や、狭心症、心筋梗塞などのリスクを上昇させます。収縮期血圧を10mmHg、拡張期血圧を5mmHg下げることで、脳卒中のリスクを30~40%、心筋梗塞などのリスクを20%下げることができるといわれています。

特殊な高血圧症

高血圧症患者の約90%は高血圧を引き起こす基礎疾患のない本態性高血圧症といわれています。本態性高血圧症の主な原因は肥満、喫煙、塩分の摂り過ぎなどがいわれています。残りの10%は二次性高血圧症と呼ばれ、高血圧を引き起こす病気が隠れています。二次性高血圧症には原発性アルドステロン症、腎血管性高血圧症など若年の方でも発症する病気が存在し、早期発見早期治療がより重要となります。そのため内分泌学会では高血圧の初診時にそれらの検査を推奨しており、当院でも行っております。

おわりに

高血圧は知らず知らずのうちに自分の血管を傷つけていく病気です。脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気の予防としては、特に血圧管理が重要とされています。健診や自宅で計測した際に最高血圧140mmHg以上、最低血圧90mmHgの方や徐々に上昇してきているがどのように気をつけてよいか分からないという方はお気軽にご相談ください。

甲状腺疾患

甲状腺疾患ってどんなものがあるの?

甲状腺は前頸部(のどぼとけのあたり)に位置し、蝶のようなかたちをした内分泌(ホルモンをつくり出す)臓器です。甲状腺は甲状腺ホルモンを産生することで全身の代謝を調節しています。
甲状腺の病気は、主に甲状腺ホルモンが増えたり減ったりしてしまう病気(機能異常)と甲状腺に本来はないしこりができてしまう病気(甲状腺腫瘍)の2種類に大別されます。頻度は低いですが、炎症により腫れることや痛くなることもあります。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)

バセドウ病とは?

甲状腺機能亢進症とは、甲状腺ホルモンが多くなりすぎて何らかの症状をきたしている状態です。甲状腺機能亢進症の中で最も多いものがバセドウ病です。バセドウ病は20~30歳代がかかりやすいとされますが、どのような年代の方でも起こることがあります。また、女性に多いということが知られています。バセドウ病は、人間にもともと備わっている免疫が、間違って甲状腺に対する抗体を作る(甲状腺を攻撃してしまう)ことで生じるとされています。この甲状腺に対する抗体の作用で甲状腺が働きすぎると、甲状腺ホルモンが体に多くなりすぎてしまい、さまざまな症状を引き起こします。

バセドウ病の症状と治療

バセドウ病の症状は多岐にわたります。例えば、疲れやすくなる(全身倦怠感)、体重が減ってしまう、よく汗をかく、微熱が出る、心臓がバクバクする(動悸)、息切れがおこりやすくなる、足がむくむ(下腿浮腫)、手が震える、下痢がよく起こる、集中力が落ちるなどです。また一部の方では、まぶたが腫れる、目が出てくるという症状が起こります。
診断で一番重要なのは血中の甲状腺ホルモン値(FT3、FT4)です。まず、血液検査で甲状腺ホルモンを測定し、甲状腺エコー検査で甲状腺の血流を確認します。治療としては、多くの場合で甲状線のはたらきを抑える薬剤を使用します。

甲状腺機能低下症(橋本病など)

橋本病とは?

甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンが足りなくて、症状をきたしている状態です。その中で一番多い原因が橋本病です。橋本病では甲状腺が大きくなることがしられており、そうなると多くの方で甲状腺ホルモンを作りにくい状況となってしまいます。女性に多い病気で、成人女性の3%以上(30人で1人程度)と言われています。2022年の人口推計では、日本の成人女性の人口が約5500万人とされていますので、日本国内の女性だけでも約165万人もの方が罹患されていると想定され、珍しい病気ではありません。

橋本病の症状と治療

症状としては、やる気が出ない、気分が沈みやすい(抑うつ)、寒がりになる、物忘れが進む(記憶力低下)、体重が増える、全身がむくむ、便秘気味になる、月経が不順になる、など多くの症状があります。診断としては、血液検査で甲状腺ホルモン値(FT3、FT4)を測定することで行います。また、甲状腺エコー検査で甲状腺の腫れを確認します。治療としては、内服で甲状腺ホルモンを補充します。

甲状腺に生じるしこり(腫瘍)

甲状腺のしこり(腫瘍)の種類

甲状腺はしこり(腫瘍)ができやすい臓器です。甲状腺に生じるしこりは良性腫瘍(腺腫)と悪性腫瘍(がん)に大きく分けることができます。甲状腺の腫瘍では、基本的に症状はありません。良性腫瘍の場合はかなり大きい場合を除いて治療の必要はありません。また、甲状腺がんは、比較的進みがゆっくりであることが知られています。このため、悪性腫瘍(がん)と診断がついても、大きさが1cmを超えなければ手術しないで経過を見ることもよく行われています。

甲状腺のしこりが大きいとき

甲状腺の腫瘍が大きい場合や、甲状腺エコー検査で悪性を疑う見た目の場合には甲状腺を穿刺して細胞の形態を見る検査を行います。

甲状腺のしこりが小さいとき

甲状腺の腫瘍が小さく、とくに悪性腫瘍を疑わない場合は、定期的な甲状腺エコー検査で腫瘍が大きくならないかといった経過をみていきます。

おわりに

甲状腺の機能異常では多様な症状が起こります。もし困っている症状に当てはまる場合は血液検査で甲状腺ホルモン値を測定することが勧められます。また、健康診断などで首の腫れを指摘される方も意外と多くいます。その場合は、血液検査に加え、甲状腺の超音波検査(甲状腺エコー)が勧められます。ともに当院で可能な検査ですので、もし心配な方がおられましたらご相談ください。

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